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2023/07/11ARCUSNew!
【コラム】高校受験、個別指導塾、間違える親の選択とは


まもなく受験生にとっての天王山、夏休みが始まりますね。

ARCUSは中学3年生が一番シェア率高めなのですが、スイッチが入っている子と入っていない子が一瞬で区別できるぐらい明確な差が生まれ始めています。勿論全員合格させる気持ちしかありませんので、スイッチが入っていない子達をどう調理指導するべきか非常に悩んでいる今日この頃でございます。。

塾の先生の悩みは本当につきません。

さて本日は、大手~中堅規模の個別指導塾で20年近く働いてきた身として、「あー、それ失敗しますよ?」と思う親御さんの選択について触れたいと思います。


「個別指導塾で夏期講習にたくさん授業をとる」


自校作成以外の都立高校入試対策で、個別授業をそんなにとる必要は正直ないと思います。これは塾側の本音です。

個別指導塾ははっきり言って利益率が悪いため、”上半期の赤字を講習の売上でカバーして下半期で黒字にする”、というのが結構王道だったりします。ですので、講習期のノルマはとても大変です。だからこそ教室長は数十コマの提案をしないといけないので、頑張って提案書を作り、夏期面談の練習をしたりするわけです。私も昔はそんなことをしていました(苦笑)

必要に応じて授業をとるのはよいのですが、問題は「その中で何をやるか」だと思います。

例えば英語でひたすら文法を基礎から指導してもらったとして、その生徒の単語力が弱ければ、あの都立の長文読解なんて解けるわけがありません。じゃあ授業で単語の暗記チェックをやればいいのでしょうか?そんなの授業でやるべきではなく、むしろ授業がないとやらないような子だとしたら、倍率1倍未満の学校以外は受からないと思った方がいいです。

それでもざっくり今までの復習をしましょうと言われて、「ああ確かに復習は必要だから、とにかく授業をとろう」と思い、提案通りの内容で申し込みする親御さんの何と多いこと…。授業を受けるとして、その個別指導がどのように行われているか、見たことのある親御さんはどれぐらいいるのでしょうか?そもそも1対2~3の授業というのは、講師が何かを考えて指導するには非常に難しいんです。しかも夏期講習は何コマも何人も授業するため、1人に向けての指導精度が高いわけがありません。

1対2の授業って、そんなに簡単ではないんですよね。2人同時に相手にする場合、どうしても「捌く」という意識が生まれてしまいます。ご自身でイメージしてみてください。右と左にそれぞれ別の学年かつ別の科目の生徒を座らせて、よーいどんで授業する自分のイメージを。難しそうに思えませんか?それを学生がこなすことのハードルの高さですよ。

ちなみに1対3は個別指導ではありませんので、申し訳ないですが私は根本的にお勧めしていません。あれは個別指導という観点から見たら、超絶難しいと思っています。授業の様子を見ればすぐわかりますが、もはや「捌く」ではなく「流す」だと思います。ですので最低でも1対2、できればトライさんやTOMASさんのような1対1の授業にした方がよいと思います。

中学受験と違って高校受験は、親御さんが学習内容を覚えていないため踏み込めず、更には子供が反抗期で言うことをきかなかったりするため、ハンドリングできていないケースが非常に多いです。そのため、「とりあえず授業をたくさんとる」という安易な選択をする方が非常に多いのですが、個別指導塾で夏明けに成績が上がるケースは、「受験生としての自覚が芽生えた」「中身のある勉強の習慣ができた」という場合であって、その子の夏期講習の授業数は正直あまり関係がありません。

私が言いたいのは、「ちゃんと調べて正しい情報を得た上で、色々なことを決めてほしい」ということです。情報弱者にならないでください。

また、今まで成績が上がらなかったから塾を変えるというのも、正しい場合と正しくない場合があります。「塾を変えたら成績が上がる」というのは間違った考えです。正しくは、「塾を変えたら本人が変わったので成績が上がった」です。ですので、「塾を変えても本人が変わらなければ成績は絶対に上がらない」ということを肝に銘じておいてください。塾を転々としている人ほど成績が上がらないのは、そういうことです。


塾長 鴨志田